大室 翔平さん(デニムメーカー 企画営業)

略歴

平成14年ファッションビジネス学科卒業。
卒業後、株式会社SAAB入社。
デニム加工の開発、企画営業などユーズド加工されたデニムの生産、販売に関わる。
文化服装学院・田中千代ファッションカレッジ専門学校でデニムのユースド加工とデニムの流行について講演。NHK Eテレの高校講座「化学」に出演。

大室さん登壇風景





学生時代

田中千代ファッションカレッジを選んだのは、将来ファッションに関わる仕事をしたかったからです。そして周囲にはおしゃれなアパレルショップが点在し、大勢のファッション好きな若者が往来している、こんな場所で勉強できたらいいなと思いました。 実際に入学してみると、課題が多く高校のときと違い専門分野の勉強がすぐに始まり、あまり遊ぶこともできず課題に追われる毎日でした。そしてクラスメイトはみんなファッションを目指していて意識が高く、いつの間にか私も服飾の世界に引きずられるようになりました。2年の夏になると卒業研究の授業が始まり、半年をかけて自分のテーマを決めファッションの勉強を始めました。今思えば不思議な縁でしたが私が選んだテーマは「デニム」でした。

「デニムスペシャリスト集団」はなにをしているのか?

私が働く株式会社SAABはデニムの加工会社です。といってもなにをしているかは分からないと思いますが… ジーンズ業界はアパレルの中では一部のシェアしか取れていません。その割には製品作りの工程はとても複雑で、染め、織り、パターン、縫製、洗い加工、そして弊社の場合ですとそこから、ユーズド加工と非常に特殊な作業になっています。なによりも積み重ねた知識やノウハウが必要で高い意識を持って従業員は働いています。 学生時代には華やかなアパレルの世界をイメージしていた私ですが、会社で働くうちに仕事の本質がわかってきました。工場の中で一つひとつの工程を着実に積み重ねていきその結果として、ショップで売られるジーンズを皆さんが手にとっている。実はファッションとかアパレルというと派手な世界を想像しますが、そうではないあくまでも地道な仕事なんだ、とても厳しい世界であることがわかったのです

学生にデニムの説明をする大室さん





仕事の大切さ

しかしながら企画営業に所属するうえで、楽しいことも経験できます。それはリーバイスの本社があるアメリカ、サンフランシスコに出張ができます。リーバイスでは提案サンプルのプレゼンテーションがあり本場アメリカでのビジネスをシーンを経験できます。また、出張は市場調査も兼ねていてアメリカ人のジーンズの着こなしや流行などつぶさに接することはこのうえない至福です。 現在の自分と田中千代ファッションカレッジ当時の自分を比べるとやはりその違いは格段にあります。学生時代は考えが甘かったですね。それは確かに言えます。今思えばもっと勉強しておけばよかった、とか、ファッションの中心地にある田中千代ファッションカレッジの周りのショップや環境をよく勉強すればよかったかなとも思います。でも、学生時代は仲間と遊ぶことも重要だったかもしれません。笑

聴き手からの一言

たまたま学生時代の大室さんを知る立場にありますが。インタービューで語ってくださった卒業研究を憶えています。確か自転車のフレームにデニムを貼り付けて、デニム自転車を展示していました。本当にデニム好きがビジネスを実践できている稀なケースです。物腰が優しい大室さんですが、体は大きく頼り甲斐のあるタイプです。またその性格からクラスの女子には人気があったことも思い出します。これからもキャリアに磨きをかけさらに活躍してもらいたいです。

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